「3番だったの」
ある日の夜のことです。
唯基が、ぽつりぽつりと、私に話し始めました。
その日、幼稚園であったことの話でした。
「あのね、今日ね、幼稚園でかけっこしたの。
ぼくね、いっしょうけんめい走ったんだけど、
3番だったの・・・」
唯基は足が速い方で、よくかけっこで1番になったと
言って帰ってきますが、この日は3番だったというのです。
「いっしょうけんめいだったのに・・・」
と唯基はしょぼくれていました。
「唯基、あのね。」
と私は話しかけました。
「一生懸命走ったんやね。」
「ウン」
「すごいやん。えらいやん。いくら1番になっても、
一生懸命走らなくて、ごまかしたりするよりも、
一生懸命走って3番やったの、イエス様がお喜び
だと思うよ。」
「・・・そう?」
「そう。一生懸命やりましたっていう唯基の心を、
イエス様は 知ってくださっているからね。」
「ありがとう。」と言って唯基は泣き出しました。
「主に感謝」と私は言いました。
「しゅにかんしゃ」と唯基が答えました。
人はうわべを見るが、主は心を見る。
(サムエル記第一 16章7節)
(ハンナ)
5代目、今週の作品
「月とチンチン電車」
-4代目の恵みシリーズ-