No.5 タレント

英語で才能を表すことばのひとつに"talent"ということばがあります。
有能な人を "talented person"と言ったりもします。
芸能人などを指すことばとしてよく使われているように、"talent"には
才能ある人々という意味もあります。
この "talent"ということばは、本来古代ギリシャ、ローマ、中東の
通貨「タラント」から来ているのです。
何故古代通貨の名称が才能を意味することばとなったのでしょうか?
実は聖書の中でイエス様が天国についてお話された たとえに由来するのです。

   
For the kingdom of heaven is like a man traveling to a far country,
   who called his own servants and delivered his goods to them.
   Then he who had received the five talents went and traded with them,
   and made another five talents.
   And likewise he who had received two gained two more also.
   But he who had received one went and dug in the ground, and hid his lord's money.
                                  (Matthew 25:14-18)


   天の御国は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、旅に出て行く人のようです。
   彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには五タラント、ひとりには二タラント、
   もうひとりには一タラントを渡し、それから旅に出かけた。
   五タラント預かった者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに五タラントもうけた。
   同様に、二タラント預かった者も、さらに二タラントもうけた。
   ところが、一タラント預かった者は、出て行くと、地を掘って、その主人の金を隠した。
                               (マタイの福音書25章14節〜18節)

この話のポイントはしもべたちが、主人が留守の間に委託されたお金を
どのように扱ったかというところにあります。
5タラント委託されたしもべと2タラント委託されたしもべは、それぞれ
預かったお金で商売をして預かり金を倍増させました。
しかし、1タラントを委託されたしもべはそれを活用せず、
主人は不当な取立てをする人だと決めつけ、
預かったお金を失わないように、盗まれないように土の中に隠しておいたのです。
主人が帰った時、5タラント、2タラント儲けたしもべたちは褒められ、
お金を土の中に隠しておいた しもべは主人の怒りを買い、追い出されてしまいます。
問題はタラントの量ではなく、委託されたものを活用したか否かなのです。

このたとえで使われている「タラント」が "talent"であり「才能」なのです。
つまり「才能」とは、神様から委託された大切なものであり、
与えて下さった神様のために活用すべきものだということです!
ちなみに「タラント」とは当時の通貨としては非常に大きな額の単位で、
当時の労働者の約20年分の労賃にあたるそうです。
現代にあてはめて言えば1億円に匹敵するのではないでしょうか。
神様が与えてくださるものは、ほんの少しではありません。
あふれんばかりに豊かに与えてくださるのです!!
私たち一人ひとりにも神様が "talent"を与えてくださっています。
その "talent"を神様から与えられたものとして、神様のために
用いていけますように!